モットーは「活力経営の支援」
「お客様の経営のお手伝いがしたいと思い税理士になりました。経営に興味があったんです。」経済団体での経営指導員を経て税理士となった若山社長は、税理士事務所を立ち上げた2年後の昭和61年に、若山経営を設立しました。税務のプロフェッショナルとしてだけではなく、中小企業の事業継続と雇用維持をサポートするため、経営戦略策定や後継者育成のための各種セミナーを精力的に開催。「こちらも勉強しないと説明できませんから。」と、自らITコーディネーターの資格なども取得し、時代に合った経営計画の立案から実行管理までフォローしています。
「経営目標を達成出来ないとき、課題は何なのかを追求することが大事なんです。目標に対して誰が何をやるのか。計画の段階でそこまで具体的に落とし込める仕組みを作りたいと追求してきました。」
そんな考えのもと、経営理念・戦略・計画・管理・実行を一気通貫できるシステムを構築。バランス・スコアカードを活用した、経営計画実行支援ツール「戦略参謀」の開発です。現状を可視化し把握することで、具体的な行動計画策定につなげるこのソフトは、これまで全国およそ80箇所に導入されています。
全員参加型経営を可能にするツール
平成23年、第2のステップとも言える取り組みを元気チャレンジが後押ししました。現場の実行計画と管理を担うクラウドサービスの開発です。「Web軍師」と名付けられたこのサービスは、PDCAをクラウド(インターネット)上で情報共有し、明確な結論や次の行動計画の土台を作る事が出来ます。クラウド型なので、複数の店舗や営業所がある場合でも、距離や時間にとらわれることがありません。
誰がいつ入力するかなどの社内ルールをつくり、財務・顧客・業務プロセス・人材と組織の各視点において、目標と実績を数値化して入力。プロセスと結果をつないで、うまくいっているかいないかによって各項目の色が変わるようになっているため、戦略の実行状況が一目瞭然。「管理業務を円滑に進めるPDCA (計画・実行・評価・改善) の中でも、一番重要なのは、C(Check・評価)です。きちんと情報を共有して話し合うことで、具体的な改善計画が立てられます。」
この「Web軍師」は、スマートフォンやiPadからもアクセスが可能。業績データをいつでも入手できるため、経営会議ではすぐに課題の特定や解決策の提案に入れる効率の良さや、ペーパーレスというコスト低減の利点もあります。
「システム自体は難しいものではなく、真似してつくろうと思えば簡単に出来ると思います。」企業経営の一気通貫ソフト「戦略参謀」はトップダウン方式、「Web軍師」は全員参加型のボトムアップ方式。両方を合致させる経営のノウハウがあったからこそ実現が可能だったのです。
経営の定石を提案
若山経営が力を入れて行なっているセミナーの中で、「後継者育成塾」があります。「私も団塊の世代ですが、そういった人たちが経済を支えてきました。右肩上がりだった時代を経て、いつか良くなるはずと我慢をしてきた時代がずっと続いていて、いざ次の世代にバトンタッチをする時に、先の見通しが暗い中で、後継者は何をすればいいかわからない。今社会は、そういう状況なんです。」だからこそ、経営者自身も後継者も、改めて経営についての知識を深め、経営の仕組みを確立することが必要だと言います。自らも経営を学び、支援してきた中で、経営にも定石があると気づき、また自らの後継者も育てていかなければならないという立場だからこそ、力が入る局面なのかもしれません。
しかし、「コンサルタント会社と言われるのは嫌なんです(笑)。成功するためのレールを引いて上げることはできません。あくまで必要な情報を提供して、経営者が意思決定したのちに、決められたPDCAを徹底して回す仕組みをデザインするだけ。会計事務所と経営コンサルタント会社の中間ぐらいでしょうか。」
企業の事業継続と雇用維持のため、「経営とは」を追求して生まれた「戦略参謀」と「Web軍師」は、あくまでツール。「ここからがスタートです。」これらをベースに、一緒に「次の手」を考えながら、目標の実現までバックアップしていきます。