新商品にかける熱き思い
「魅せて中(あ)てる」ことが重要視されるスポーツ流鏑馬競技。「人を魅了するスポーツ競技として発展させていくために、カッコ良さや安全性を追求していったら古来から伝わる騎乗の基本に行き着きました。本当は逆なんですけどね。」と笑う。基本の習得が欠かせないことを思い知り、乗馬経験者を対象としたクリニックでも、まさに一から基本を見直すプログラムにこだわった。
走る馬上から的に矢を射る、勇壮華麗な日本の伝統的な武芸・流鏑馬(やぶさめ)。 戦国の時代には実践的に使われ、のちに神社の神事として受け継がれてきたが、最近は新たな乗馬スポーツとして広がりを見せている。
火付け役となったのは、十和田市内に広大な乗馬施設を構える㈲十和田乗馬倶楽部だ。平成22年から、スポーツ流鏑馬インストラクター育成講座「流鏑馬クリニック」を開催し、その指導者及び競技人口を増やしてきた。発案者である上村社長は、「最初は手探り状態で始めたものの、早いうちにそのプロセスをシステム化できたことで、全国から足を運んでいただけるものになりました。」と胸を張る。
クリニックでは、流鏑馬の歴史や基礎知識の講義、騎乗の基本技能、的を射るまでの一連の所作を身に付ける実技、安全管理などの専門的な知識が学べる。これまでに全国から150人以上が受講し、スポーツ流鏑馬を各々の地元で普及している。
また、初心者を対象とした体験メニューも確立し選手の養成にも力を入れている。地元でも性別・年代を問わず流鏑馬ライフを満喫している人が増えているようだ。
馬事関連事業者からも注目が集まり、「馬のまち十和田市」から発信されたスポーツ流鏑馬は、新たな乗馬競技として定着しつつある。
古くから伝わるこの日本の伝統武芸は、神職や氏子など男性が継承してきた歴史がある。そんな中、上村社長は由緒ある南部流鏑馬会師範に弟子入りし腕を磨いてきた。「流鏑馬は他の馬術競技と比べても観ている人にわかりやすいし、衣装も華やかで独創性がある。これを老若男女が気軽に取り組めるスポーツ競技として確立できないかと考え始めました。」
競技として成り立たせるには、競技者がいることが必須条件であり、その人口を増やしていかなければならない。そのためには適正な安全管理や技能指導を行えるインストラクターの存在が欠かせないことから、指導者育成と選手養成の2つの柱でスタートすることになった。
新たなチャレンジに踏み出せたのは、同社が独自技術で改良した「新南部馬」の存在が大きいという。新南部馬は小型で温和な性格が特徴的で、子どもから年配者まで乗りこなすことができるレジャーホースだ。「この特色ある改良馬を活用して新たな乗馬スポーツを確立し、馬のまちにふさわしい観光資源になることを目指して、スポーツ流鏑馬事業を進めるチャレンジが始まりました。」
「助成金は主に広告宣伝費に使いました。」地元新聞の折込チラシだけでなく乗馬専門雑誌に広告を掲載したことで、全国各地の乗馬愛好者に対してスポーツ流鏑馬の存在を周知させることができたようだ。また、助成金を活用して外部から講師を招き日本馬事文化について学ぶプログラムを加えたことで、厚みのある内容になったという。
5年間続けてきた中で、講座内容もさらにステップアップし効率的にシステム化されているが、「この助成金の後押しが全ての始まり。全国の人を巻き込むきっかけになりました。」と振り返る。
「助成金は主に広告宣伝費に使いました。」地元新聞の折込チラシだけでなく乗馬専門雑誌に広告を掲載したことで、全国各地の乗馬愛好者に対してスポーツ流鏑馬の存在を周知させることができたようだ。また、助成金を活用して外部から講師を招き日本馬事文化について学ぶプログラムを加えたことで、厚みのある内容になったという。
5年間続けてきた中で、講座内容もさらにステップアップし効率的にシステム化されているが、「この助成金の後押しが全ての始まり。全国の人を巻き込むきっかけになりました。」と振り返る。
企業プロフィール
- ■企業名有限会社十和田乗馬倶楽部
- ■所在地十和田市三本木字佐井幅115-2
- ■TEL0176(26)2945
- ■URLhttp://www.jtng.com/thrc/
- ■代表者名上村 鮎子
- ■従業員数5名
- ■資本金300万円
- ■採択年度平成22年度上期