新商品にかける熱き思い
理容師として働いてた経歴を持つ高森常務。「年齢とともに肌の不調を訴える人を見てきた。」という。独学でりんごについて学び、肌に対する有効成分を知った。雑貨石鹸の商品化を経て、「りんご以外にも青森には素晴らしい成分がある。素材を活かしたここにしかない商品を作りたかった。」という。モットーは、商品を「笑品」に!商売を「笑倍」に!
りんごを使った商品開発を手掛ける(株)エイ・ワンド。自社で展開するショップ「青い森わんど」には、これまで生み出してきた商品が所狭しと並んでいる。そこにニューフェイスとして加わったのが、「ブルボア」と名付けられたフェイシャルソープとリップクリームだ。原料には青森県産りんごから抽出したエキスと白神山地の水、プロテオグリカンが配合されている、まさに青森の恵みが詰まった商品だ。どちらも無合成香料、無着色、パラベンフリーの仕上がりにこだわった。
「熱を加えずに自然乾燥でじっくり熟成させているので肌に優しいのはもちろんですが、余分な成分が入っていないので環境にも優しいんですよ。」とソープの特徴を語るのは、開発の指揮をとってきた高森暖常務だ。
6年前にもりんごを使った石鹸を開発した経験があり、りんごが持つパワーを実感していたという。そこに、「サケの鼻軟骨から抽出される保湿成分プロテオグリカンと、弱酸性の白神山地の水を加えることで相乗効果が生まれたよう。肌が弱いお客様にも安心して使っていただける商品です。」と、その出来栄えに自信をのぞかせる。素材だけではなく、製造にもこだわった証だ。
現在は「青い森わんど」のほか自社のネットショップ、首都圏にある県のアンテナショップやプロテオグリカン専門店「アレッラPG」などで販売されている。すでにリピーターも出始め、敏感肌層を中心に広がりを見せているようだ。
以前開発した「りんご美人石鹸」は雑貨石鹸として販売していたが、「ニキビが治った、アトピーが良くなったというお声をいただき、本格的に化粧品としての石鹸を開発したいと考えていました。」と高森常務。りんごエキスを核とした青森県産素材を使った商品にと、方向性が決まったところで「元気チャレンジ」に申請。採択に後押しされ、化粧品づくりの道へ足を踏み入れた。
商品化成功の裏には、素材への信頼感と自らの意欲だけでなく、「製造を依頼した会社と、想いが一緒だったことが大きい。」と振り返る。「肌に優しく、よりいいモノを」という強い想いが共通していたという。その表れか、ソープの試作品だけでも12種類にのぼった。そこから「お店のお客様や知り合いにモニターをお願いし、その声を反映しながら改善していきました。」泡立ちや切れの良さ、香り、潤いなど、使う人の立場でとことん検証し、納得の商品にたどりついた。
助成金は、商品やパッケージの試作にかかる経費に充当したという。「商品自体もそうですが、一番最初に目がいくのはパッケージ。細かいところまでこだわれたのは助成金があったからこそ。起業した当初は助成事業という制度があることすら知りませんでした。商品開発も全て自費。もっと早く知りたかった。」と笑う。そしてメリットと感じていることはほかにも。「コーディネーターさんとの出会いは大きかったですね。様々なアドバイスもいただきましたし、横のつながりも出来ました。これほど心強い制度はないですね。」
「肌に優しい」をキーワードに余計な物を加えずに仕上げていることから、フェイシャルソープは溶けやすいという特性がある。「そこで今、溶けにくいソープの開発も進めています。」とのこと。「ゆくゆくは『ブルボアシリーズ』として、スキンケア商品全般を手掛けたいと思っています。すでに動き始めているアイテムもありますよ。」と、次のステップへ歩みを進めている。
地元では口コミを通して上々なスタートを切った「ブルボア」の2品だが、全国展開はこれから。「広告に力を入れるなどして、どんどん外にアピールしていきたい。青森県産素材の素晴らしさを多くの人に知ってもらいたいです。」と、さらなる意欲を見せている。
企業プロフィール
- ■企業名株式会社エイ・ワンド
- ■所在地青森市安方1-11-1(青い森わんど)
- ■TEL017(777)6345
- ■URLhttp://a-wando.com
- ■代表者名高森 正志
- ■従業員数3名
- ■資本金500万
- ■採択年度平成26年下期