青い森ひなた美人合同会社

手さぐりしながら着実に事業化へ

　ドローンの飛行を行うに当たっては、法律や条例で定められた細かいルールがある。円滑に飛行許可を取得するため、江渡社長は免許の取得に臨んだ。
　ドローンの飛行に関するルールを学ぶなかで、ドローンによる空撮には、安全確保のため、複数のスタッフが必要であることが判明した。事業の計画段階ではわからなかったことであったが、免許を取得することで撮影の手順を具体化することができたという。
　また、自社には動画の制作や編集に関する知見がなかったことから、他の会社との連携を計画していたものの、新型コロナの影響により、協力先を再度調整しなければならない状況に陥るなど、事業が想定よりも遅れてしまう事態が発生した。「世の中がこれまでとまったく違う状況ではあったが、何とか進めることができた。」と江渡社長は振り返る。

チャレンジャーとしてチャンスを掴む

　「自分は起業家なので、チャレンジャーの立場。ビジネスチャンスには積極的にチャレンジしたい。」と話す江渡社長。助成事業は新サービスの開発に資金面でのサポートを得ることができるほか、事業計画を作ることによって、新サービスの開発に向けてやるべきことの整理ができる。このため、特に事業を始めて間もない創業者にとっては、新しい取組を実現するチャンスになる。
　また、助成事業の申請のときに審査会があるが、その準備や審査員への説明を通して、自分のやろうとしている取組に対する思いがより強くなり、こだわりをもって新サービスの開発にチャレンジすることができたとのこと。
　助成事業を進める中での疑問点や当初計画どおりにいかないことが発生したときは、21あおもり産業総合支援センターの担当職員へ相談しながら進めることができたので、手続き面の課題もクリアすることができた。

青森県を世界中にPRしたい！

　「スペインやアメリカの方などからも問い合わせがある。」と、今後のインバウンド客の増加を見越し、令和5年2月からHPを多言語に対応するよう変更する予定。「世界に誇れる日本の結婚式や青森の魅力ある観光資源を世界に向けてＰＲしていきたい。」と江渡社長は前向きだ。また、SNSを通じて「青森でこんなに美しい写真が撮れるのか。」と驚きの声が寄せられるなど、国内の方からも反響は大きく、打合せスペースや広々とした衣裳部屋を完備した自社オフィスを新たに設けるなど、顧客満足度向上に向けた取組にも積極的である。社会情勢や結婚観の多様化から、挙式や披露宴をしない夫婦も増えているというが、当社が提案する「観光ウェディング」は潜在顧客の掘り起こしにも繋がる取組みとして、今後も期待が寄せられる。

代表取締役　江渡 仁隆さん 当社のこだわりの写真は、江渡社長自らが撮影したもの。「フォトウェディングの撮影では、花嫁が車から出てきた瞬間、地域の人達が「おめでとう」と拍手をしたり、撮影の様子を楽しそうに眺めていたりする姿を目にすることもあり、こちらも嬉しくなります。」と、笑顔で話す姿が印象的だ。

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