新商品にかける熱き思い
当時、市場にはなかったBLEに対応したナースコールボタンを新規開発。「弊社の技術向上に繋がった。」と胸を張る。開発商品を世に送り出すたびに同社の技術もアップデートされてきたが、これに満足することなく、「新たに開発しているシステムにも期待してもらいたい。」と、躍進はまだまだ続いていきそうだ。
情報・通信機器に関する組込みソフトウェアの開発技術を有する(株)サンライズ・エー・イーが、高齢者施設をターゲットとした新たな統合システムを開発した。
「Ragarde La Vie(ラガードラヴィ)」と名付けられたシステムは、既存の「管理業務支援システム」と、自社開発の「ヘルスケアシステム」の2つを統合したもの。ヘルスケアシステムの中でも、血圧計や体温計といったバイタル機器を無線接続し、測定したデータを画面上で管理することが出来るアプリケーションは、すでに「Family Safety plus(ファミリーセーフティプラス)」の名で販売を進めていたものだが、今回新たにBLE※通信による無線方式のナースコール機能を開発。これによって施設のスタッフは、通信用タブレットやスマートフォンといった機器を使って、どこにいても全ての入居者の状況や情報を瞬時に把握することが出来る。
これらを管理業務支援システムと連携させることにより、入居者管理から請求管理まで、必要な業務をトータルでサポートするシステムが完成した。
同社の池澤社長は、「全てが無線なので建設時の工事費を大幅に削減出来るほか、アプリケーションを増やして機能拡張することも可能です。」と、導入メリットを語る。
※BLE・・・「Bluetooth Low Energy(BLE)」は、従来のBluetooth「低消費電力」の無線技術であるのに対し、Bluetooth v4.0のBLE技術は「超低消費電力」を特徴としている
同システムを開発するきっかけは、「新たに開設するサービス付き高齢者向け住宅に導入したいという相談があったこと。」当時、ヘルスケア機能と高齢者施設向けの管理業務支援ソフトとの連携が可能なシステムは市場に出回っていなかったことから、「今後の需要を考えた上で、自社開発・商品化という方向性を決めた。」という。
すでに施設のオープン日が決まっており、短期間で開発に臨まなければならなかったため、ソフトウェアのコア技術は自社で開発し、技術を保有していないハードウェア機器の開発は県内の製造会社に委託。また、開発後の全国展開や販路開拓を視野に入れ、管理業務支援に関してはすでに全国に広い販売シェアを持つ大手ソフト開発会社と連携する推進体制を整えると同時に、元気チャレンジを申請しプロジェクトが始動した。
同社は、ファミリーセーフティシリーズ開発時にも元気チャレンジの助成を受けており、今回が3度目の活用となる。「今回も開発費を助成してい
ただけたことで、スピーディーに新たな商品を完成させることが出来た。」というように、3ヶ月という短期間での開発を実現した。
同システムの導入を希望していた施設での実証実験を経て、改良が加えられてきた「ラガードラヴィ」。システムのさらなる充実化を図るため、「入居者の徘徊に対する監視システムを統合させたい。」と池澤社長。同社では早くも、新たな技術を用いた次の開発に取り組んでいる。
企業プロフィール
- ■企業名株式会社サンライズ・エー・イー
- ■所在地八戸市北白山台2-8-35
- ■TEL0178(70)1081
- ■URLhttp://www.sae.co.jp/
- ■代表者名池澤 昭博
- ■従業員数24名
- ■資本金1,500万円
- ■採択年度平成26年度上期