新商品にかける熱き思い
ターゲット層である30~50代女性に手に取ってもらえる商品を目指し、「開発メンバーはほぼ女性です。」というように、女性による女性のためのモノづくりに取り組んだ。インパクトだけで終わらぬよう、「美容成分に徹底的にこだわったのはもちろんのこと、女性目線のアイディアをふんだんに盛り込みました。」と自信をのぞかせる。
青森ねぶた祭りの勇壮な山車を模したフェイスパックが登場した。開発したのは、青森市と五所川原市にエステサロンを展開している(株)キュートアップ。つければ誰もが迫力顔になれるねぶたと、可愛らしさを残す金魚ねぶたバージョンの2種セット。見た目のインパクトもウリだが、「ベビーアップルをはじめ、黒ナマコやクマザサなど青森由来の保湿成分を使っています。」と同社の貴田社長が言うように、美容成分も青森産にこだわっているのがいるのが特徴だ。
「県外や海外から来た観光客に、青森みやげとして活用してもらいたい。」と、自社サロンだけでなく観光施設などに販路を広げて、平成28年春から販売を開始した。
商品パッケージには、青森県の紹介や青森ねぶた祭りの由来などを紹介したリーフレットを同封し、海外からの観光客が手にすることも見据えて英訳も付加。観光プランを動画で見ることができるウェブページに誘導するQRコードもつけた。「このフェイスパックを通して青森を知ってもらい、美容から観光へとつなげたい。」と話す貴田社長。おみやげ品としての活用にとどまらず、青森へ人を呼び込むきっかけとなる商品にしたいという思いが溢れている。
パックをつけた写真をFacebookなどのSNSに投稿してもらったことが話題となり、予想以上の反響と売り上げにつながっているようだ。
これまでにも青森由来の美容成分を使ったクリームなど、オリジナル商品開発の経験があった同社。美容の知識を活かして、青森を訪れた女性に喜んでもらえるおしゃれで手頃なおみやげ品をつくりたいと模索していたという。「青森らしさが際立っていて、なお且つそれをもらった人が青森に行ってみたいと思う商品にしたかった。」と、青森県最大の観光資源であるねぶたに焦点を当てた新商品の企画が進められることに。以前の商品開発でもタッグを組んだ美容アドバイザーに加えて、ねぶたのイメージをマスクに反映するデザイナー、青森の観光情報を紹介する動画づくりのために観光アドバイザーにも声を掛け、元気チャレンジの採択を待って本格的に動き出したという。
サロンのお客様や美容関係者にモニターを依頼して、パックの使用感や香り、保湿力に関する意見を反映させながら試作を繰り返し、同時進行でマスクのデザインや紹介する観光情報の精査、翻訳作業が行われた。
助成金は、フェイスパックの試作や英訳を含めたパッケージ制作、国内外でのPR活動に活用した。「助成金のおかげでスムーズに事業を展開することができた。」という言葉通り、助成制度を活用するにあたって事業スキームを練り上げていたことで、スタートから半年というスピードで新商品を誕生させ、PR活動を開始した。
また、「21あおもり産業総合支援センターを通していろいろな出会いにも恵まれ、人脈を築くことができた。」と、同じくモノづくりに取り組む異業種との交流が、今後の商品開発における糧となったようだ。
インバウンド需要の取り組みが進み、スキンケア市場は拡大を続けている。お肌をぷるぷるにしてくれる美容効果だけでなく、ユニークさが弾ける同商品。国内はもとよりタイのバンコクで行なったサンプリングでも十分な手応えを感じ、今後は積極的に海外展開に乗り出す予定だという。
また、「地元素材や地域資源の価値に気付かされた取り組みでもありました。さらに掘り起こして次につなげたい。」と、すでに新商品の構想も進んでいるようだ。
企業プロフィール
- ■企業名株式会社CUTE UP
- ■所在地青森市浜田1-10-16
- ■TEL0173(23)0227 (五所川原店)
- ■URLhttp://www.cute-up.com
- ■代表者名貴田 麻記子
- ■従業員数3名
- ■資本金300万円
- ■採択年度平成27年度下期