[事業名]アップルブランデーの商品開発及び販路開拓事業
[補助金の主な使途]商品試作費用・ブランディング費用・酒造研修費用・展示会出展費用
~青森のりんご産業の未来のために~アップルブランデー開発事業
りんごの香りを感じられるアップルブランデー
つがる市の(有)サンアップル醸造ジャパンが自社のブランデー工場「モホドリ蒸留研究所」で製造するアップルブランデーは、青森県産のりんごと白神酵母を使用しているホワイトブランデー。アルコール度数は25度と、日本人になじみのある焼酎などと同程度にしている。助成金を活用して、会社設立当時に目的としていたアップルブランデーの製造に改めて挑戦し、商品開発と販路開拓のための広告宣伝、ブランディングに取り組んだ。
「当社のアップルブランデーの一番の特徴は、りんごそのものの香りを感じられる点です。」と、木村社長は自信をのぞかせた。製造工程でりんごを入れたまま蒸溜すること、樽貯蔵をしないことといった、当社ならではの工夫により実現できたものである。
また、助成事業で取り組んだブランディングでは、商品デザインから店舗の内装まで統一するなど、お客様の印象に残る店舗づくりにもこだわったことで、首都圏での展示商談会に出展した際には百貨店のバイヤーから味の良さと商品デザインの両方で好評価を得ることができたとのこと。
地域の農業者の期待を受けて事業化
平成元年に農業研修でドイツに行った際、カルヴァドス(アップルブランデー)と出会ったことがきっかけで、ドイツのりんご農家の元で酒造りを学んだ木村社長。帰国後、アップルブランデーの製造を目的として会社を設立したものの、醸造免許の取得が難しく、酒造事業は一時休止となった。農作業受託を主たる業務としていたが、平成28 年に地元の協力者と協議会を設立し、再度酒造事業に取り組むことを決めた。
「加工用りんごの売り先があることでりんご農家の収入安定化に繋がります。また、あまり手をかけずに栽培が可能であることから、機械化等のスマート農業も導入しやすい。アップルブランデーの製造に取り組むことによって、新規就農者の増加や農家の若返りを図ることができる。」人手不足や高齢化によるりんご農家の減少を少しでも食い止めたい考えだ。
周辺のりんご農家からの「早く工場を作ってほしい。」や「ぜひ、うちのりんごを使ってくれないか。」といった期待の声が寄せられる中での事業化となった。
助成金の活用で事業化をスピードアップ
当社は平成30年度の商品開発事業に続き、令和3年度にアップルブランデー工場の知名度向上に向けて補助事業を活用している。「令和3年度の事業で行った、HPやパンフレットの制作、展示会への出展などは、成果が直接的に利益に反映されづらいので、自社資金のみですべてを一度に実施することは難しかった。」という。今回、助成金を活用したことで、短期間で必要な取り組みを進めることが可能となり、事業化をスピードアップさせることができたとのこと。
事業実施にあたっては、21あおもり産業総合支援センターのコーディネーターから、事業化や販促などのソフト面を中心にアドバイスがあったことで、必要な取り組みを円滑に進めることができたという。
アップルブランデーといえば青森県
将来的には、青森県で生産されるりんごの5%をアップルブランデーの加工に使用することを目標としている。「アップルブランデーといえば青森県」のイメージを持ってもらえるように、商品の販促活動を行い、アップルブランデーの知名度向上に取り組みたい考えだ。
また、近年、国産ウイスキーが海外でも人気を集めている。「今後は、海外輸出を視野に入れて、海外向けの商品PRや販促活動にも力をいれていきたい。」と、青森のりんご産業を守る存在となっている。
代表取締役 木村 愼一さん
青森県の主力産品であるりんごは、加工品ではジュースやジャム、近年はシードルを製造する事業者も多いが、ブランデーを手がけている事業者は少ない状況。自社が「青森県産りんごを使ったアップルブランデーを青森県の主力商品となるよう展開していきたい。」とお話いただいた。 |
⽀援者からのコメント
社長の長年の夢であった酒造業への一歩を踏み出せたことを心から祝福します。 |
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企業プロフィール
- ■企業名/有限会社サンアップル醸造ジャパン
- ■所在地/つがる市柏鷺坂村留32-5
- ■TEL・FAX/0173-26-5561・0173-26-5562
- ■代表者名/代表取締役 木村 愼一
- ■資本金/2,500万円
- ■設 立/平成15年6月
- ■事業内容/大豆・小麦・菜種・米・りんごの生産に係る農作業全般
- ■活⽤補助事業/平成30年度21あおもり未来チャレンジ助成事業・令和3年度21あおもり未来チャレンジ助成事業
- ■ホームページ/https://www.mohodori.com/