[事業名]インバウンド旅行者からのニーズに応える「奥入瀬ランプ」の商品開発事業
[補助金の主な使途]ひょうたんランプ原材料費・台座試作費
「小さな奥入瀬」を世界中にお届けする
新たな観光資源「奥入瀬ひょうたんランプ」
清らかな水が流れ、苔むした岩々が幻想的な風景を形成している奥入瀬渓流。そんな観光スポットに奥入瀬モスボール工房はある。工房は「モスボール(こけ玉)」制作体験で有名だが、数年前からは新たに「奥入瀬ひょうたんランプ」の制作体験も加わった。
この「奥入瀬ひょうたんランプ」は、乾燥させた青森県産のひょうたんに、奥入瀬渓流で眺められる「苔の模様」をモチーフとして穴をあけたランプで、ランプを灯すたびに奥入瀬渓流を思い出してもらいたいという願いが込められている。制作体験は初心者でも簡単にでき、その土地ならではの思い出作りをしたいという観光客のニーズの受け皿となっている。奥入瀬渓流の観光は、苔を眺めて歩くツアー「奥入瀬苔さんぽ」が好評であり、得られた思い出を「ランプ作り」で表現するといったツアーが組まれるほど、国内外問わず観光客に人気のコンテンツとなっている。実際にこの体験のために奥入瀬を訪れる観光客も多いそうだ。
インバウンド対応に向けた新商品の開発
奥入瀬のこけ玉作りは人気のあるアクティビティとなったが、検疫の観点から、制作しても海外へ持ち帰れない。そこで「奥入瀬の思い出を自分たちで表現し、持って帰ってほしい。」という思いから、長期間保存が可能で、加工することで検疫の問題をクリアできるひょうたんランプに注目し、「奥入瀬を表現する」とのコンセプトのもと、開発に着手した。マーケティング活動として、台湾の百貨店に出店したり、ニューヨークで展示会を開催したりすることで、海外の方の反応を蓄積し、デザインに反映させている。海外の方は、日本の象徴である「苔」に関心が高く、「青森県は日本有数の苔の聖地であり、苔の造形美に魅せられて生まれた作品がこのoirase lampである。」というストーリー性が評価された。そして、星野リゾート奥入瀬渓流ホテル内の店舗を日々訪れるインバウンド旅行者の要望を踏まえた電源台座の開発も取り組むなど、商品のブラッシュアップにも積極的に取り組んでいる。
専門家のサポートにより安心して進められた事業展開
ひょうたんランプを事業化するにあたり、21あおもり産業総合支援センターのコーディネーターや青森県知的財産支援センターに相談し、事業化前から商標の取得に取り組んだ。「商標の取得も無事に終え、安心して事業を展開することができたので、専門家へ相談できたことは良かった。」と起田さんは語る。
思い出作りのお手伝いを
「青森に足を運んで、こけ玉やひょうたんランプづくりを体験してもらい、奥入瀬のファンになってもらいたい。」と起田さんはこれからも商品を通じて、青森や奥入瀬の魅力を発信し続ける。コロナ禍によるインバウンド旅行は途絶えたものの、「逆境は乗り越えました。これから訪れるであろう観光特需に応える準備は万全です。」と自信満々にインタビューに答えた起田さん。コロナ禍に設立した、自社の観光施設モスボールパークでの取り組みにも期待したい。
起田 高志さん プロレスラーとして活躍後、青森県へUターン。現在は「プロモスラー」として青森県や奥入瀬の魅力をこけ玉やひょうたんランプとともに発信している。観光に来ていただいた方の思い出作りに尽力し、世界一のこけ玉・ひょうたんランプ事業を目指している。 |
⽀援者からのコメント
奥入瀬を愛し奥入瀬に愛された起田さん。ご相談をいただくたびにその熱量に圧倒されます。当事業の実施後に事業化したモスボールパークをはじめ、まだまだ様々な仕掛けを用意されているようですので皆様お楽しみに! |
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企業プロフィール
- ■企業名/株式会社オキタ工業(奥入瀬モスボール工房)
- ■所在地/十和田市大字法量焼山64-195
- ■TEL/080-2165-7454
- ■代表者名/起田 芳夫
- ■資本金/6,600万円
- ■設 立/昭和50年2月21日
- ■事業内容/管工事業、石油ガス販売事業、モスボール事業
- ■活⽤補助事業/平成31年度21あおもり未来チャレンジ助成事業
- ■ホームページ/http://www.mossball.jp/