[事業名]革新的なチェックシート及びリハビリメニューの自動化ソフトの開発事業
[補助金の主な使途]システム構築費・ホームページ制作費
みんなのスマイルにつながるシステム開発
チェックシートと自動化ソフトで効果的なリハビリメニューを提案
通所型デイサービスを運営する(株)ケアスマイル青森では、利用者へのリハビリサービス提供にあたり、より効果的で質の高いサービスができないか検討してきた。今回の事業においては、高齢者の状態を正確に分析・把握できる独自チェックシートの開発、そして、そのシートを分析し、レベル別のグループ分けと最適なリハビリメニューの提案ができるシステム「4MS」の開発を行った。
4MSの利用により、当社ではリハビリメニュー提案の自動化が可能となり、エクササイズ内容をA4一枚で利用者に提供できるようになった。また、エクササイズ方法・効果が記載されているため、利用者にとっても、なぜ自分がこの動作を行わなければいけないのかを理解し、目的意識を持って、少人数グループでリハビリに取り組めるようになった。
その他、コロナ禍で通所できない方が自宅でもエクササイズを行うことが出来るようになり、ご家族の方々へも必要性を理解いただけるようになったという。
最小の負担で最大の成果を出す
従来、利用者が「できる動作」を数字で評価し、リハビリメニューの作成を行っていた。しかし、利用者が抱えている問題の解決に向けては「できない動作」を分析し、適切なリハビリメニューを行うことが重要であることから、「できない動作を見つけてチェックシートに記録する」動作評価の取組を新たに始めた。
本事業の核となるチェックシートの開発にあたっては、外部の専門家からの意見も取り入れ、チェック項目・評価基準を確立。これを基に、同じ問題を抱えている利用者をグループ分けする、独自のアルゴリズムを開発し、システムを構築した。
全スタッフがこのシステムを使用することで、経験が浅いスタッフでもリハビリメニューの作成ができるようになり、一定の質でサービス提供ができるようになった。介護の現場は、1対多であるため、スタッフの負担が大きかったが、システムの利用により、少ない負担で大きな成果を出せる仕組みができた。
想定以上の効果があった支援機関との連携
「21あおもり産業総合支援センターや県の方々の紹介で、青森県知的財産支援センターや弘前大学につないでもらったことが、補助事業を進める上で、1つの成功の要因となった。」と大里社長。結果として、当初は想定していなかった、特許取得や大学との共同研究に結びつけることができたという。
また、4MSを開発したことにより、生産性向上・業務平準化といった成果が出たことで、スタッフの負担軽減につながり、より質の高いサービスを利用者に提供できるようになった。
全国の介護施設にも展開していきたい
4MSは、利用者のスクリーニング(現状把握→課題認識→リハビリメニュー提示)が可能となる、他には例のないシステムとなった。当施設では4MSを運用しながら、仮説を立て、類推し、必要に応じてシステムの修正を加えている。「これまでのところ、4MSを使用することで、利用者の日常生活動作が向上するというデータが取れているため、今後も引き続きシステムの最適化を図るとともに、有効性を発信していきたい。」とのこと。
加えて、国の制度改正により、利用者の日常生活動作が向上することが、施設の評価につながる仕組みになった。このような外部環境の変化もあり、今回開発した4MSを全国の介護施設にも展開していきたい考えだ。
代表取締役 大里 洋志さん データや根拠に基づき判断する冷静さと、現状をより良くしていきたいという熱さをお持ちの大里社長。身体が良くなるためになぜこのリハビリメニューが必要か、理解してもらい目的意識を持ってもらうことで、「利用者のモチベーションアップにつながることが嬉しい。」と語っている。 |
取材担当者からのコメント
大里社長が積み重ねた経験を、システムという形で具現化し、スタッフの皆さまで共有できていることが、一番の成果だと感じました。加えて、仮説を立て、必要に応じ修正を加える柔軟性が強みだと思います。今後、より一層の4MSの進化に期待大です。 |
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企業プロフィール
- ■企業名/株式会社ケアスマイル青森
- ■所在地/青森市問屋町2-14-6
- ■TEL・FAX/017-762-7171・017-762-7187
- ■代表者名/代表取締役 大里 洋志
- ■資本金/300万円
- ■設 立/平成22年5月
- ■事業内容/通所介護
- ■活⽤補助事業/平成31年度21あおもり未来チャレンジ助成事業
- ■ホームページ/http://smilegroup.info/