mizuiro 株式会社

その国のひとが一目でわかる商品づくり

　元々、おやさいクレヨンを製造する際も、自社に商品を開発する設備や拠点を有していなかったことから、外部で請け負ってもらえる企業を探す必要があった。直接製造を受託してもらえそうな全国の企業に電話をかけ、自社の事業規模に照らし合わせながら、自社の意向に沿った製造を担ってもらえる企業を自身で探し当てたとのこと。ちょうどYouTubeに職人さんが手作業でクレヨンを作る工程を掲載していた名古屋のとある企業に直接連絡をしてみたそう。
　今回の補助事業に関しては、「おやさいクレヨン」という商品が米国の方々に購入してもらえるようにと、まず、米国内でネットワークを有する企業を活用することとし、現地で卸売の販売実績のある企業に、製品紹介の英語翻訳から、文章立案、外国人を起用した商品シーンの撮影、デザイン等に至るまで様々な業務の協力を得ている。
　そのうえで、自社サイトの再構築や、パッケージ製作においては、デザインだけでなく、商品に含まれる素材そのものを理解してもらえるような構成になるよう、協力会社と一緒に取り組んできた。

商品開発における心強い味方

　新型コロナの影響により中止になったが、オリジナルのクレヨン開発に取り組もうと未来チャレンジ助成事業に採択されたことがある。「創業したての事業者にとっては、資金面で商品開発にかける余裕がない。そういったなかで、補助事業を活用することで負担が軽減されるのはメリットとして大きい。また、補助金を受けるための事務処理などの負担は大きいものの、自社事業を展開していくには絶好の機会となるため、新規事業をお考えの事業者には活用をお勧めしたい。」と、木村社長。
　自身も会社を立ち上げた当初は、活用できそうな補助金がないか、インターネットでよく検索していたとのこと。

青森から海外へ、そして、総合的なライフスタイルメーカーを目指して

　米国では、既に、日本語対応ができる現地代理店と契約を締結し、販路も広がりつつあり、現地のとある店舗では既に自社製品を取り扱ってもらっている。
　国内においては、販売面では、様々な企業のOEMやコラボ企画などにより、自社製品を取り扱ってもらえる環境が広がっており、原材料の調達では、現在、青森県内の農家さんなどへの貢献という意味合いもあり、県産野菜の残渣を使ったクレヨンを製造している。一方で、食品加工工場などでも野菜残渣が大量に排出されるという話を耳にし、「今後は、アップサイクルの観点から、大規模工場の野菜残渣も取り扱えるようにしていきたい。」と意気込んでいる。
　また、子育てと仕事の両立を目指す子育てママさんの活躍の場の確保や、障害を持った方の就労支援の取組もこれまで同様に継続しつつ、SDGsへの貢献も行っていきたいとのこと。
　将来は、主力の「おやさいクレヨン」に加えて、野菜ペーパーなども商品として取り扱い、最終的には、総合的なアップサイクルを主軸としたライフスタイルブランドへの展開を目指す構想も抱いているそうだ。

代表取締役　木村 尚子さん 創業前に、会社務めを辞めて、フリーランスとしてデザイナーを始めたきっかけは、いかに子どもとの生活時間を多く共有できるかとの思いから。その思いは、「自分だけの商品を生み出したい。」、「青森らしいプロダクトを作りたい。」と発展し、親と子の関係を深められるように、おやさいクレヨンが完成したのだと思う。

取材担当者からのコメント