[事業名]新規格 NURU ANKO 新たな販路開拓のためのリアル商談会への出展
[補助金の主な使途]商談会出展料・展示品運搬費
ワンハンドで手軽に餡を!老舗あんこ屋の自信作をもっと多くの方へ届けたい
チューブ型「NURU ANKO」の販路開拓
「美味しいもの、健康的なものを、より多くの消費者に届けたい。」と話す中居林社長。父親である先代が闘病中に餡子が食べられなかった経験から、食べたくても食べられない人のために大学と連携して低糖質餡を開発したり、若い世代にも餡子を食べてもらえるように高級チョコレートのような濃厚な味わいの羊羹を開発するなど、当社の高品質な餡子の普及のため、業界の常識に捉われない商品開発を続けるアイディアマンだ。
その中居林社長が、21あおもり産業総合支援センター(以下、21あおもり)の補助事業を活用して取り組んだのはチューブ型商品「NURU ANKO」の販路開拓である。あんバターブームによりパンに塗るタイプの瓶詰商品は販売していたものの、「容器が重く、落とした際にケガをする恐れがある。」「瓶の側面や底面に餡が残り最後まで使い切れない。」という声があったため、中身が見える形で軽量化し、片手でも簡単に餡子を押し出せて最後まで使い切れる商品を開発した。補助事業にて出展した東京の展示会では、多くの来場者への試食に商品説明と大盛況。見積・サンプル依頼は75件、商談依頼は23 件あり、当社の認知度向上に大きく貢献したという。
消費者目線に立った大手企業との差別化
「チューブ型商品は大手企業がすでに販売していたものの、外から中身が見えず餡子とイメージできない、チューブ自体が固く最後まで使い切れないといった課題もあったため、そこにポイントを絞れば十分差別化を図れると感じました。」と中居林社長。力の弱い高齢者や忙しい若者がワンハンドで餡子を出せるようチューブは取引先の包材会社を経由して大手印刷企業の厳選したものを採用し、餡子を最後まで無理なく絞り出すことを可能とした。また、より多くの世代に餡子を身近に感じてもらうためデザインにもこだわり、縦型のポップなイメージのものに仕上げた。現在、1 番の売れ筋である「あんバター」を含め6 種類の商品をラインナップし、自社ブランドである「匠あんこ堂」の商品としてホームページや首都圏の百貨店にて積極的に展開している。1個千円程度と決して安くない価格帯であるものの、その品質の高さから全国から注文が増えており、当社の人気商品となっている。
出展料や運搬費に活用し、商談会でのPR効果を最大限に
「商談会出展料、展示品運搬費を補助していただくことで、展示会でより多くの人員を投入することができ、タイムリーな来場者対応が可能となりました。また、販促物の充実や高品質化にもつながっています。」と補助事業の活用のメリットを挙げた中居林社長。最近は、アスリート向けの高タンパク質餡の要望が増えていることから、今後、21あおもりの「新事業展開等促進補助事業(新商品開発コース)」を活用し、大学との共同研究による新たな商品開発も検討しているという。
また、21あおもりとは、他県とのマッチング支援などの施策活用でも関わりがあり「県や21あおもりの施策を活用し、広域での新たな技術連携や商品開発にもつなげて行けたら。」と意気込んでいる。
全国の地域資源を活用した商品開発とSDGsへの取組み
「今後は全国の地域資源を活用した餡子の開発も増やしていきたい。」と中居林社長。最近では、新潟県のカボチャを使用した甘くない餡子の製造を依頼されたといい、全国からの製造委託(OEM)が増えているという。今後は、そういった全国の地域資源と当社の低糖質餡の技術を組み合わせた商品開発に力を入れ、餡子の魅力を全国に発信していきたい考えだ。
また、非食品事業者とのコラボによりSDGsに資するような商品の開発にも取り組んで行きたいと考えており、例えば、流木や廃材と当社の商品を組み合わせることで、より付加価値が高い商品になることはもちろん、互いの顧客を相互に送りあう「相互送客」の関係を築くことで、WIN-WINのビジネスモデルの構築を目指している。
代表取締役 中居林 達也さん かねご製餡の二代目社長。30 名の社員とこまめにコミニュケーションを取りながら、日々の仕事を邁進している。趣味はゴルフ。世界中の有名ゴルフ場でプレイしてみたいと考えている。最近気になるのは発酵食品。チーズや甘酒など、発酵の方法や期間によって味もいろいろ変わったりするのが興味深いと笑う。 |
取材担当者からのコメント
「当社の餡子をいかに幅広い世代に広めていくのか、そのために何をするのか。」について、先々を見通しながら将来のビジョンを描く中居林社長の姿勢にはいつも驚かされています。今後の展開も期待しています。 |
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企業プロフィール
- ■企業名/かねご製餡株式会社
- ■所在地/八戸市南類家一丁目11-3
- ■TEL・FAX/0178-22-0065・0178-22-8089
- ■代表者名/代表取締役 中居林 達也
- ■資本金/1,000万円
- ■設 立/昭和53年
- ■事業内容/餡類・菓子原料・菓子製造販売
- ■活⽤補助事業/令和3年度新事業展開等促進補助事業(販路開拓コース)
- ■ホームページ/https://shop.kanegoseian.com/